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■D,侯爵の『RADIO R'lyeh』第参百壱拾七夜■
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こんやもラジオルルイエ
今宵の永遠に付き合う皆様、どうぞよろしく…


□ 今夜紹介する楽曲 □


オーバー、アンダー、サイドウェイズ、ダウン/ザ・ビーバーズ

旧約聖書/アダムス

明日なき世界/アダムス

大人の戦争/The Dynamites

割れた地球/Tiger

西暦2525年/ザ・ヤンガーズ



オーバー、アンダー、サイドウェイズ、ダウン/ザ・ビーバーズ


日本では三大ギタリスト

(エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ)

を生んだバンド

として後に知られるようになった

ヤードバーズ


当時、このバンドに目をつけて

盛んにコピーしていたGSが

スパイダーズの弟バンド

ザ・ビーバーズである


ビーバーズは1966年2月結成の

六人組で


成田賢

早瀬雅夫

石間秀樹

などが在籍していた


1967年7月

キングから『初恋の丘』で

レコードデヴューしている


68年6月に

発売された彼らの唯一のアルバムが

『ビバ!ビーバーズ』で


12曲中オリジナルは5曲までで

他はビー・ジーズや

ストーンズなどの外国曲カヴァー


ヤードバーズは

『オーバー、アンダー、サイドウェイズ、ダウン』

『アイム・ア・マン』

の二曲


これは当時のヤードバーズの

日本での評価の低さを考えれば

極めて異例のことで

彼らがいかにヤードバーズに

傾倒していたか理解できる


演奏の出来も

ヤードバーズに遜色なく


特に『アイム・ア・マン』における成田賢の

ハーモニカと石間秀樹のギターの掛け合いは

当時の水準としては群を抜いて素晴らしい


『オーバー、アンダー、サイドウェイズ、ダウン』

のヴォーカルなどはビーバーズの方が

うまいくらいだ


日本で最初にツインギターを

完成させたのもこのGSで

オリジナルの『君なき世界』や

『君・好きだよ』では

ジェフベックとジミー・ペイジ

ならぬ石間秀樹と平井正之

の絶妙な絡みを

聞くことができる


また『君・好きだよ』の

ベースラインには

ヤードバーズの『ロスト・ウィメン』

の影響も伺えて興味深い



結局このバンドも

音楽的食い違いから

69年4月に解散となる


日本ではヤードバーズの

評価は不当に思えるほど

低いが


この和製ヤードバーズ

ビーバーズに対する評価は

そのGS的外見ゆえか

さらに不当に低い評価しか

与えられていない



旧約聖書/アダムス


実力派GS、アウト・キャストを

脱退した水谷公正と轟健二を

中心に68'年春に結成された

グループ。


68年6月16日

池袋のジャズ喫茶「ドラム」で

初ステージを踏み、同年9月5日

大編成のオーケストラとの

合同演奏による「旧約聖書」で

レコード・デヴュー


大編成のオーケストラという

大げさな構成の割りに

オリコン・チャートは

63位にとどまった。


そんなわけで

ただ今聴いていただいたのが

くだんの

1968年9月5日リリース

デヴューシングルから

A面の壮大なシンフォニック・ポップ『旧約聖書』


(旧約聖書を引き合いに出して

回りくどい事をさんざん言った

あげくに本音は

女を煙に巻いていつのまにか

口説き落とすタイプの男性のうた)



新会社CBSソニーの

GS第一号として社運をかけて

渡辺プロダクションが

第二のタイガースとして

大々的に売り出そうとした


アイドル性重視のバンドだったが

テクニックも兼ね備えていて


ステージでのレパートリーは

もっぱらニュー・ロックや

ストーンズ・ナンバーだった


実際に70年代にはスタジオ・プレイヤーとして

ナンバーワンになった水谷公正や

千原秀明といった腕利きスタジオ・ミュージシャンを

輩出する事になるアダムス



合計四枚のシングルを残しているが

もはやGSの枠で活動する事に限界があり

69年暮れに解散してしまった。



明日なき世界/アダムス


バリー・マクガイアのヒット曲とは

同題異曲だが、

こちらも核戦争をテーマにした

メッセージ・ロック


全体的に

すごく、すぎやまこういち先生の

いろがでている

という感じの構成だが


間奏では水谷の

アート・ロック風ギターを聴ける。


なお、

タイガースの主演映画

東宝69年7月封切りの

「ハーイ!ロンドン」では

日比谷「ヤング・メイツ」に

おいて「にくい時計」を演奏する

アダムスを拝む事ができます

(川上幸夫がヴォーカルをとる「にくい時計」)





「大人の戦争」1968・3/The Dynamites



カルトGSの最高峰として

評価されている


ザ・ダイナマイツ

瀬川洋(せがわひろし)と

山口富士夫という

二枚看板でデヴューした

玄人向けGS



シングル「ユメがほしい」のB面


すぎやまこういちと橋本淳の師弟コンビ


イメージだけで作ったという

意味不明の

橋本淳の歌詞がすごい。


当時、東西の「冷たい戦争」が終わるまでは

人々の心のどこかにいつか第三次世界大戦

が勃発し、世界が滅亡するかもしれない

という危惧どこかにあった。


この作品はそんな世界的な危機感を

意識して、最後に残った二人を

モチーフにしたかのような

シュールな世界が歌われている。



その歌詞とは無関係に

ファズをフューチャーした

ワイルドでパンキッシュな

演奏


ところが


そこにストリングスが

かぶるところが

GSっぽい。


もしこれがストリングスが

導入されてなければ

海外のガレージファンに

もっと評価されたと思う。



デヴュー当時はプロモーションとして

日劇の荒木一郎ショーにも

連日出演などしておりまして

非常にパワーがあって

まあレコードも

シングル5枚とアルバム一枚出してますが


商業的な成功はなかったんですね、

やっぱりGS衰退の波に勝てなかった。

69年にこれから本格的に

アルバム制作していこう

というところで、

メンバーの音楽性の不一致みたいな

お決まりのパターンでももって解散した。




割れた地球/Tiger


タイガースが68年に

リリースしたトータル・アルバム

『ヒューマン・ルネッサンス』より

このアルバムは、

「ポンペイ最後の日」

からモチーフを得た

コンセプト・アルバムで

GSと管弦楽の融合という

すぎやまこういちらの

意図が一応の成功を

見たアルバム

GS=不良=低い音楽性

という世評に反発するかのように

大げさなほどの

格調の高さと芸術性を

打ち出している

全体的にオーケストラを

導入したクラシック・ロックの

おもむきが強く

まるでオペラのような

アルバム


しかし

そんななかで


この曲に関しては

ジミ・ヘンドリックスの

影響を強く感じさせる

ニュー・ロック調の

ギターをフューチャーしており

ジュリーの甘めの

ボーカルとのコントラストが

非常に面白い。





西暦2525年/ザ・ヤンガーズ


世紀の一発屋

ゼーガーとエヴァンス

69年夏

全米No.1ヒットの

西暦2525年のカヴァー


これは

69年11月25日

フィリップスからリリースされた

『ヤング・ポップ・ベスト14』

収録曲

アルバムの一曲目を飾る

ヤンガースによるカヴァー


原曲のブラスパートを

ギターに置き換えて


GS的解釈

よりガレージ的表現

となっておりまして


原曲よりも

鬼気迫る

迫力のある演奏が

楽しめたかと思います


GSブームの全盛期に

フィリップスは

所属アーティストたちの作品を

集めたGSオムニバス・アルバムを

シリーズ化しています


中には

このシリーズでしか聴けない、


フィリップスGSたちによる

他者GS作品のカヴァーや

洋楽ヒット・カヴァー

が多数ありました。。


ただ、

この時代になってくると

楽曲も洗練されてきてしまうせいか

GSによるカヴァー曲の

演奏は困難を極める


69年にGSが一斉に

歌謡曲化したのも

そんな要因があったかも

しれませんが


そんな中で

この作品はワイルドな

演奏が光っています。






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by marquis_de_d | 2018-11-04 21:00 | RADIO R'lyeh
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