なんか心が折れた。でも、謎だった部分がだいたい顔を出してくれた。いいよ、後は推測できる。僕が知らなかったモヤモヤした何かが泥のそこに隠されたまま、僕を「いい思い出」とかなにかあやふやなものにされようとしていたことだけは防げた。気になっていたんだ、ずっと。あやうく、何も知らないまま処理されるところだった。屠殺場の家畜みたいに。なるほど。
ボブ、あんたの言った通りだったよ。悲しいけれど。以前、夢の中にロバート・エヴァンスが出てきて僕に「どうした?蒼い顔して」「ひどいツラだな」といった。僕は「ボブ、あんたにゃ関係ねえよ」と言ったけれどもそれは強がりだった。ロバート・エヴァンスはすぐに「女だろ」と言った。この人にはかなわないな、と思った。「彼女にスティーヴマックイーンが現れたか」と言うから「あんたと一緒にすんな」と言ってやった。そんなわけねえだろ、ただ彼女の機嫌が悪いだけさ。直ぐに戻る。そう思っていたんだ。でも、ロバート・エヴァンスの勘ぐりはおおよそ当たっていた。そう、あんたと同じさ、ボブ。俺も飛行機に乗り遅れていたんだよ。もっとも、彼女の相手はスティーヴマックイーンみたいに世界一の美男子ではなかったがね。ショックかって?ふふ、そりゃあね、彼女が世界一の美少女だったらなおさらだ。まあ、良いさ。また僕の夢どおりになったってだけの話だ。
そんなわけで、今日は世界の変わり目の日だ。とりあえず、弟がタイミングよく映画を観に行こうと誘ってくれて、鬱憤ばらしに人が沢山死ぬ映画が見たいから『ハプニング』を観に行く。噂では相当グロいと聞いていたけれども、想像していたよりも良い映画だった。そしてタイミングよくショータにカラオケ誘われて、失恋の歌を二、三曲歌って気分を落ち着ける。ふむ。悪くない。僕の世界はまだまだ希望に満ちあふれている。そしてぼくは自信に満ちあふれている。悪くない。
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