人形町の仕事を終えて、ようやく一段落。そんなわけで、今日は一日暗い部屋にヒキコモッテ疲れを癒す。そして夢を見る。
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女と僕は博物館にいる。中国の青銅器文明を中心に紹介した展示内容。一通り見終えると、僕はいつものように昆虫の標本がぞろりと並んだ部屋へ行く。博物館や美術館では僕は連れのことなど気にせずにどんどん一人で好きなものだけ見るから、女とははぐれただろうと思っていたけれども、ちゃんと女は後ろからついてきていた。昆虫標本を見ていると女の子供が「これ、僕の家にもいる」という。どういうことか女に尋ねると、女は「我が家ではスズメバチを飼っているのです」という。そんな危険な生物を飼育するのはやめたまえ。と警告すると、「ご覧になりますか」というから、僕は好奇心から女の家へ行くことに。…竹林の坂を上がって、切り通しを抜けたところにある女の家は古い木造建築で、そのたたずまいは旅館のようでもあり神社仏閣のようでもあった。女の後をついて家の奥へすすんでいく。堅い材質の木で作られた廊下の床はピカピカと黒光りして冷たい。奥にすすむにつれてひんやりとした水気と冷気を感じる。どうやら、この家の裏側の崖の縦穴洞穴にそのまま廊下伝いに続いているようだ。そして蜂の羽音。一番奥の部屋の入り口にはしめ縄と鳥居があり、祠が祀られている。うなるような低音の羽音はその祠から聞こえてくる。僕は恐る恐る、近づいてみる。それは巨大なスズメバチの巣を取り囲む様に作られた建造物なのだ。僕の直感どおり、この家は神社であり、祠には巨大なスズメバチの巣が祀られているのか。これはクロスズメバチですね。そう女にいうと「さあ、詳しくは存じません」という。クロスズメバチは土中に八層から十二層の巣盤で構成される巨大な巣を営巣することで知られますが、これは、ざっと見ただけでも百層は超えている。これほど巨大で立派なものは僕は見た事が無い。女はまた「さあ、詳しくは存じません」と答える。「でも、この子達…なんでも食べますのよ。ほら」と言ってパンをちぎって巣の方へ投げてみせた。すると、烈しい羽音とともに蜂が祠の扉の格子窓から、わんわんと飛び出してきて、そのパンに群がった。あぶないですよ、奥さん。と言おうと思ったけれども、女の冷たい微笑みに恐怖して言葉が出ない。「何でも食べますの」そして、次の瞬間、僕の視界は黒い昆虫の群れに包まれるのです。
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目が覚めると15:40時。
とりあえず、体重計に乗っておくか。
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本日の体重測定結果報告
57.4キログラム
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ふはは、ダイエットは成功というわけですな。まあ、仕事が続いてやつれただけとも言えるけどね。今日も人の心は美しく狂気に駆られ、狂い舞い、それを受けて僕の心は俺の心と幾度も不安定に入れ替わり、正確に時を刻む時計のように冷徹に機械的に生について考察し、死について熟考し、また夢の続きを見に行く。
■}{ 備忘録 }{■